それは嫉妬?
嫉妬ですか?
なにその、可愛いの!

「よかった、紅夏のファーストキスが俺で」

今度は松岡くんの方から顔が近づいてきて目を閉じた。

……が。

「にゃー」

ぼすっ、セバスチャンから顔を突っ込まれ、目を開けた。

「なんだ?
紅夏は渡さない、ってか?」

「にゃー」

ゆらり、セバスチャンの尻尾が揺れる。

「いくらお前でも紅夏は渡さねー」

「にゃーっ!」

セバスチャンを手で押さえたまま、松岡くんが唇を重ねてくる。
それは私がしたのと違い、長くて――甘かった。