「まあ、今回の件は我々にも落ち度があります。
例の殺人犯と似ているとは思ったものの、確証が持てなくて。
しかも所轄が違うもんだから……」

横井さんはぼやいているが、今回、私が助かったのは彼のおかげとも言えなくもない。
彼が似ていると、松岡くんに漏らしてくれたから。
だから松岡くんは私を気にしてくれていた。

「私も、その、……いろいろ、失礼なことを言いました」

祐護さんが犯人だなんて思っていなかったのもあるが、当てにならないなど酷いことを言った。
横井さんは一生懸命やってくれていたのに。

「いやー、ああいう状況だったら仕方ないですって」

「いつもへらへら笑ってだらしないから、市民に信用されないんですよ」

はぁっ、女性警官の吐くため息は重い。
もしかして、こんなことは日常茶飯事なんだろうか。



入院している間、松岡くんは毎日お見舞いに来てくれた。

「あの家、今度こそ売り払うって言われた」