「それで。
意味わかったのかよ」

「えっと……。
松岡くんは私がまだ好きってこと?」

……で、合っていますか?

「紅夏にしてはよくできました」

「……ひど」

にやっ、右頬だけを歪めて松岡くんが笑う。
あ、これ見るの、久しぶりだな。

「それで。
……紅夏は?」

じっと、レンズの奥から松岡くんが私を見つめる。

私?
私の気持ち?

私は松岡くんを忘れて、祐護さんを好きになろうとしたんだよ?
本性を知らなかったとはいえ、ペアの指環だって受け取った。
なのにまだ、許されるのかな。