手術が終わって少し眠る。
セバスチャンがどうなったのかは気になるけれど、麻酔が効いているか眠かったから。

目覚めた私を待っていたのは――父親の、怒号。

「なんでこんなことになっているんだ!」

同意が必要だから駆けつけてくれたのは感謝している。
けれどついさっきまで殺されそうだった娘に、いきなり怒鳴るだろうか。
しかも、個室なのをいいことに。

「なんでって……」

そんなの、私が知りたい。

「お前がいつまでも低俗なエロ小説なんて書いているから、こんなことになるんだろうが!」

「そんなの関係ないでしょ!?」

身体が、熱い。
いままでこの話題は曖昧に笑って逃げてきた。
でももう――逃げたくない。

「私は自分の書いている作品が、低俗なんて思わない。
ただ私は、読者に夢と希望を届けたいだけだから。
それがたまたまTLだったってだけ。
だいたいお父さん、私の作品読んだことないくせに!」