「許可、もらえたから。
病院も連絡入れた。
終わったら連絡する」

「う、うん」

私の腕から松岡くんがセバスチャンを抱き取った。

「心配しないでもきっと大丈夫だ」

私の顔を見ずに、松岡くんの手があたまをぽんぽんする。
それだけで酷く安心できた。

横井さんに連れられて家を出ると、パトカー数台に救急車が停まっていた。
さらにその周りには何事かと近所の人が集まっている。

「行きましょう」

促されて救急車に乗る。
病院まではこの間、横井さんについてきていたあの女性警官が付き添ってくれた。



指はかろうじて皮膚一枚で繋がっていた。
ただ、鋭利な刃物だったからくっつくと言われ、ほっとした。