なにが悪かったのかわからない。
きっと、全部が悪かったのだろう。

これで私の作家生命も、――私の人生も、終わる。

「ニャーッ!!!!」

「こら、離せ!
このくそ猫!」

閉じていた目を開ける。
そこでは祐護さんの手にセバスチャンが必死に噛みついていた。

「離せって言ってるだろっ!」

ブン、祐護さんが手を振り、セバスチャンが飛んでいく。

「ギャッ!」

壁に激突したセバスチャンは短く絶叫して落ちた。

「んーっ!
んーっ!」

無駄だとわかっていながら声をかけるが、セバスチャンはぴくりとも動かない。
パニックになったあたまは目からぽろぽろと涙をこぼれ落とし続ける。