「んー、でも、前は不健康に痩せてる感じがあったんで、健康的になっていいんじゃないですかね」

にっこり笑う彼女に悪気はない。
そういえば彼女と食事に行くときはいつも肉だが、もしかして彼女なりの気遣いだった……とか?
今日も焼き肉だし。

「ハウスキーパー……もとい。
家政夫さん効果ですかね」

確かにそれしかないと思う。
いままでまともな食生活じゃなかったし。

「かも、ですね」

「よかったんじゃないですか、家政夫さん頼んで」

彼女は得意げだけど……私としては少し、複雑な心境。
よかったといえばよかったけど、悪かったといえば悪かったって感じだし。

「でも家政婦さんって男性もいるんですねー」

私も意外だったし、だからこんなことになってしまったんだけど。
実際聞いてみたら、同じ家政婦紹介所には松岡さんしか男性はいないらしい。