なんとなくケーキスタンドを求めて街をうろついている自分に気づき、苦笑いしかできない。

結局、デパートでティセットにもあいそうな、シンプルな白のケーキスタンドを購入した。

うん、別に松岡さんのためじゃないとも。
楽しいアフタヌーンティのためだ。

「毎日暑いですね」

今日も桃谷さんは可愛くてちょっと眩しい。

「まだ八月に入ったばかりですもんね……」

おしぼりで手を拭きながら、桃谷さんはてきぱきと注文していく。
彼女は私がひきこもりだって知っているからこうやってときどき、なにかと理由をつけて呼び出してくれる。

「大藤先生、少し太りました?」

うっ、めざとい。

「そ、そうですかね」

自分でもうすうす気づいていただけに、ショックは大きい。