「えっと……」

どうしてそこまで立川さんがしたいのかわからない。
好意があるにせよ、私はただのTLノベル作家だ。
芥川賞や直木賞といった、大きなタイトル持ちじゃない。

「僕は紅夏が将来、きっと誰もが知っている作家になると思ってる。
だから未来の大作家のために尽くしたい」

買いかぶりすぎじゃないだろうか。
私がそこまでの作家になれるなんて思えない。
確かにいま書いている小説で大きな成果が得られればと夢は見ているが。

「僕の言うこと、信じられない?
これでも僕、編集としての目は確かなんだ。
だから絶対、紅夏はベストセラー作家になるよ。
僕が保証する」

この自信はどこからくるのだろう。
けれどそんなふうに言ってもらって――嬉しくないわけがない。

「だから、ね。
僕に紅夏のサポートをさせて?」

「はい……」