「その、悪いのは松岡くんで林さんじゃないので。
林さんが謝る必要はないですし、困ります」

「申し訳ございません!
その、松岡を謝罪にお伺いさせたいのですが……」

「それ……」

「けっこうです」

私が言うよりも早く、立川さんが冷たく言い放つ。

「そ、それでは……」

林さんの目にはうっすらと涙が浮いている。
私だって彼女の立場ならきっと、そうなっていただろう。

「今後二度と、このようなことがないようにしていただきたい。
松岡さんには厳罰と、紅夏には二度と近づかないように誓わせてください。
……いいですね」

「は、はいっ!」

立川さんからじろりと睨まれ、林さんはとうとう棒立ちでがたがたと震えだした。