「だいたいそちらはなにを考えているのですか。
ひとり暮らしの若い女性の家に男性の家政夫などと」

「はい、仰る通りです!」

林さんは完全に恐縮しきっていて、反対にこちらが申し訳なくなってくる。

「そもそも御社は社員にどのような教育をなさっているのですか」

「大変、申し訳ございません!」

膝にあたまがつきそうな勢いでお辞儀をして林さんは謝っていて……そろそろ、許してあげてもいいんじゃないでしょうか。

「口で謝るだけなら、いくらでもできますよね」

はぁっ、再びあきれたように立川さんはため息をついた。

「本当に本当に、私どもの松岡が、大変申し訳ございませんでした!」

「えっ、ちょっ、やめてください!」

林さんが三和土で土下座しそうになり、慌てて止めた。