洗濯機がピーピー鳴りだし、立川さんはまた洗面所へと消えた。

なんだか凄く面倒くさい人に好かれてしまった気がしないでもない。
でも、いまの私には彼しか頼る人がいないわけで。
それに、実害があるわけでもない。

なら、……割り切るか。

途切れた集中は戻ってこず、それでもだらだらと少しでも進める。

「紅夏ー、お昼ごはん、できたよー」

「はーい」

手を止めて茶の間へ行く。
こたつの上にはチャーハンができていた。

「ごめん。
作るって言っておいてなんなんだけど。
僕、あんまり料理が得意じゃないんだよね。
一応、食べられるとは思うけど」

立川さんは苦笑いを浮かべているが、作ってもらえるだけこちらとしてはありがたいです。