気になって玄関へ向かうとそこには……誰か、いた。

「誰……?」

知らない男は玄関の戸をなにかガチャガチャやっている。

「なに、やってるの……?」

泥棒?
だったらすでに戸は開いているのに、なんであそこに固執しているの……?

なにをやっているのか確認したいが、怖くて足が竦んで動かない。

「た、立川さん!」

「なぁに、紅夏?」

ひょこっとなぜか洗面所から立川さんが顔を出す。
怯えている私と違い、楽しそう。

「あ、あれ」

玄関を指した指はぶるぶる震えていた。

「ああ。
あんなことがあったあとだから鍵変えとかないと危ないよ。
悪いけど勝手に業者呼んだから」