思いがけず繋がって、一瞬言葉を失った。
が、すぐに気を取り直して口を開く。
「そちらに家政夫をお願いしている、葛西と申しますが」
『葛西様ですね。
少々お待ちください』
待っている間、携帯を持つ手がじっとりと汗を掻いてくる。
『お電話代わりました、林と申します。
昨日、松岡の方から契約解除だとうかがっておりますが間違いないでしょうか』
「はい、間違いないです。
松岡くんは――」
私を騙して卑劣な嫌がらせをしていたから。
そう言いかけて口をつぐむ。
『松岡がいかがいたしましたでしょうか。
もし、なにかございましたのならなんなりと仰ってください』
「いえ、なんでもないです」
別にこれが知れて彼がクビになったら可哀想……などと思っていない。
が、すぐに気を取り直して口を開く。
「そちらに家政夫をお願いしている、葛西と申しますが」
『葛西様ですね。
少々お待ちください』
待っている間、携帯を持つ手がじっとりと汗を掻いてくる。
『お電話代わりました、林と申します。
昨日、松岡の方から契約解除だとうかがっておりますが間違いないでしょうか』
「はい、間違いないです。
松岡くんは――」
私を騙して卑劣な嫌がらせをしていたから。
そう言いかけて口をつぐむ。
『松岡がいかがいたしましたでしょうか。
もし、なにかございましたのならなんなりと仰ってください』
「いえ、なんでもないです」
別にこれが知れて彼がクビになったら可哀想……などと思っていない。