待てないかのように戸が開く。
しかもいきなり、抱きつかれた。

「心配したんだよ。
電話しても出ないし、呼んでも返事がないから」

「すみません、書きながら寝落ちてました……」

「とにかく無事でよかった」

立川さんは涙さえ浮かべていて、思わず胸がきゅんと音を立てる。

「はい、本当にすみません」

よしよしって、……子供扱いですか!?

「本当によかった。
そういえば、朝ごはんは食べた?」

「いえ、まだですけど……」

「じゃあ、一緒に食べよう。
美味しいパン屋で買ってきたんだ」

持ってきた袋を立川さんが掲げてみせる。

「……はい」