「ほんとにそうだね」

不快そうに立川さんの眉が寄る。

「でも大丈夫。
僕が絶対に、あんな奴から守ってあげるから」

そっと頬を撫でて笑ってくれる立川さんは王子様に見える。

――うん、間違いなく王子様だ。

だって、悪い人に襲われた私を、助けてくれたんだから。

「あ、あの。
……仕事、いいんですか」

傍にいてくれるのは嬉しいが、立川さんだって仕事があるはずなのだ。

「うん?
そうだね、そろそろ社に戻らないと編集長に怒られちゃうかも。
紅夏が心配で仕事放り出して来ちゃったから」

困ったように立川さんが笑う。
そんなに私を心配してくれたのだと、胸がじーんと熱くなった。

「ね、また明日来ていい?」