「ふぅん。
じゃあ、あとで調書取るから詳しい日時とか証言して」

「はい」

悪びれることなくへらへらと横井さんは笑っている。
立川さんがきちんと大人な対応をしていたから黙っていたけれど、私はお腹の中でぐちぐちと文句を言っていた。

「まあね、事件が解決すればこちらとしてもありがたいですけど。
ただ、こちらの立川さん?と葛西さんの証言しかないわけですし。
お兄さんからも話を聞いてみて、また連絡しますよ」

「……お願いします」

どうしてこの人はどこまでもやる気がないのだろう。
松岡くんに脅されたときはあんなにきちんとしていたのに。

「じゃ、私はこれで」

やっぱりへらへらと締まらない顔で横井さんは帰っていった。
結局、女性警官は最後もあたまを下げるだけでなにも喋らなかったが、なにをしに来たんだろう……?

「警察ってほんと、当てにならない」