こわごわ見た自分の手は、泥と血で汚れていた。

「……はい」

ふらふらと洗面所に向かう。
鏡に映る私の顔にもべったりと、泥と血がついていた。
きっと汚れた手で涙を拭ったりしていたからだろう。

「あの!
できたら服も着替えた方がいいと思います!」

廊下から立川さんの声が聞こえてくる。
見ると服も泥と血で汚れていた。
特に……肩には血が。

寝室で適当な服に着替えた。
着ていた服はもう二度と着たくなくて、抱えて台所へ向かう。

「すみません、キッチンを勝手にお借りしています」

台所では立川さんがなにかをやっていた。
かまわずにゴミ箱へ、抱えてきた服を捨てる。

「どうぞ。
落ち着きますから」