「えっ!?
開かない!?」

――ガッ、ガッ。

ふすまを開けようと試みるもののほんの十センチほど開くばかりで、それ以上は何度やってもなにかに引っかかって開かない。

「嘘っ!?」

思い当たる節は……ある。
書いている途中で聞こえた、廊下でなにかが崩れる音。
きっと、崩れた本がつっかえ棒の役割を果たしているに違いない。

――などと原因がわかったところで、出られないことには違いないが。

「どーしよー……」

助けを呼ぼうにもひとり暮らしの我が家には私以外誰もいない。
近くに両親が住んでいればいいが、実家はここから車で二時間以上かかる。
友達に頼ろうにも、人付き合いが苦手な私にはそんなもの、皆無に等しい。

「詰んだ……」