「なんでっ、……こんなことにっ、なった、ん、……だろ」

泣きながら穴を掘ってセバスチャンを埋める。
証拠だとかそんなの、どうでもいい。
このままにしておくのは可哀想すぎるから。

「私がっ、莫迦、だったからっ。
……ごめん、セバスチャン」

手を合わせて家の中に戻る。
いまからどうしていいのかわからない。
松岡くんが嫌がらせの犯人だったなんて。

「にゃー」

「……えっ?」

不意に、寝室から黒猫が出てきた。
首には見覚えのある首輪をつけている。

「セバス、チャン……?」

じゃああれは、違う猫?

でも同じ首輪をつけていた。

白襟に黒の蝶ネクタイ調リボンは、松岡くんの執事スタイルに合わせてオーダーしたのだから間違いない。