松岡くんの情けない声が聞こえてくる。
心が痛んで耳を塞ぐ。

彼は信用してはいけない人なのだ。
もう、心を許したりしては、ダメ。

ひたすら執筆に集中する。
気づけば日が暮れていた。
いつもなら郵便を持ってくる時間なのに、今日は来ない。
もしかして仕事放棄でもしているのだろうか。

そっと出てみたが辺りに松岡くんはいなかった。
勝手に帰ったにしては荷物はそのままある。

「なに、やってるんだろ」

不審に思いながら、郵便を取りに出た。
本当は見たくもなけれど、今日はエスカレートする日だし、証拠品は押さえておきたい。

外に出ると松岡くんが郵便の受けの前に立っていた。

「なに、やってんの?」

「……るな」

「え?」