この年になってやっときた初恋が、あんな人だったなんて。



金曜日は起きたらいなかった。
ほっとしながら執筆に没頭する。

「こんにちはー」

でも、三時になったら松岡くんはやってくる。
仕事だから当たり前だけど。

「本日もよろしくお願いいたします」

今日は仕事だからか執事服だった。
そんなのどうでもいいけど。

「仕事しているので。
じゃあ」

「アフタヌーンティは!?」

「けっこうです」

ぴしゃっと、ふすまを閉めてしまう。

「紅夏ー」