きっと、立川さんが怪しいなんて言っていたのは、自分に疑いの目が向かないようにするため。
本当に汚い。
一瞬でもナイトみたいだとか思った自分が悔やまれる。

「もー、紅夏ー、機嫌直してー」

もう松岡くんなんて信用しない。
絶対に。


食事が終わったらお風呂に入って速攻で寝室に引っ込む。
ついでにふすまにつっかえ棒をして外から開かないようにした。

「ちょっ、紅夏、閉め出し!?
なあ、紅夏って!」

なにか言っている彼を無視して布団をかぶる。
ついてきたセバスチャンは盛んにふすまをかりかりしているが、知らんふりした。
すぐに外は静かになった。

「もうだまそうたって、だまされないんだから」

横になった鼻の上を、涙が転がり落ちていく。

私は莫迦だ、あんな人を好きになって。