もう松岡くんは信用しちゃダメだ。
折をみて家政夫契約も解除しないと。

とはいうものの、すぐに出て行けなんて言いづらい。

「なー、紅夏。
俺、なんかした?」

ベッドで髪を撫でるのを拒否したら、不安そうに松岡くんは聞いてきた。

「……なんでもない。
もう落ち着いたからいいってだけ」

顔を見たくなくて彼からに背を向ける。

「怒ってるんなら言って?
なにしたかわかんないけど、あやまるから」

「……別に怒ってない」

「紅夏ー」

結局、松岡くんは大きなため息をついて部屋を出て行った。

もうあれにだまされちゃダメだ。
松岡くんはなにか企んでいるんだから。