「またその話か。
俺はそんなことしない、あいつ自身の話だろ」

「そう、だね」

本当にそうなんだろうか?

正しいのは松岡くん?
立川さん?

「紅夏?
どうかしたのか?」

私の反応が微妙だからか、怪訝そうに松岡くんが顔をのぞき込んできた。

「……なんでもない。
仕事してるね」

無理矢理にでも笑顔を作って仕事部屋に逃げる。
いまはひとりになりたかった。

「松岡くんが犯人……」

だとしたらいろいろなことがいっぺんに説明がつく。

――それは立川さんも同じといえば同じだけど。