「いえ。
大藤先生に喜んでもらいたくて」

笑った立川さんの口もとで、白い歯がきらりと光る。

さすが王子、眩しすぎる!
……いやいや、私は王子、卒業したんだって。

「それで。
……嫌がらせのほう、その後どうですか」

声を抑え、松岡くんを気にしながら聞いてくるのはやはり、 彼が犯人だと思っているからですか。

「その。
……猫の死体がバラバラで送られてくるようになりました」

「そうですか……」

はぁーっ、重いため息を立川さんがつく。

「こんなことは言いたくないんですが。
僕、見たんですよ。
彼が猫を捕まえているとこ」

いや、だからその話、この間もしましたよね?