ひとりだったらきっと、耐えられなかった。

「それで、いつまで泊まるの?」

ちょっとだけ、気になっていた。
泊まるのはあの日だけかと思ったら、まだいるんだもん。
いや、でも、いてもらった方がよかったんだけど。

「ずっと。
……とか言いたいけど」

松岡くんはなぜか、困ったように笑った。

「明後日、嫌がらせがエスカレートする日だろ?
それ見て考える」

「そっか。
ありがと」

なんで私はがっかりしているんだろう。
私も一緒にいたいから?
ううん、まだ仮彼氏なんだし、そんなの許されるはずがない。


仕事部屋でデジタルメモを立ち上げる。
嫌がらせ犯には腹が立つが、現実逃避していたおかげであと二、三日で書き上がりそうだ。