「松岡くん……?」

むなしく、自分の声が家の中に響く。

「松岡くん?
松岡くん?」

家中を探し回ってようやく、こたつの上のメモを見つけた。

【仕事に行ってくる。
なるべく早く帰るから。

郵便受けは開けるな。
もし宅配便が来たら、受け取っても絶対に開けないこと。

サンドイッチ、作って置いてある。
食欲ないだろうけど少しでも食べろ。

紅夏は絶対に、俺が守るから】

ふらふらと台所へ行く。
テーブルの上にはサンドイッチがラップをかけて置いてあった。
ミルクティを淹れてサンドイッチを口に詰め込む。

……食べなきゃ。

これで私が衰弱していたら、犯人の思うつぼだ。