洗面所で化粧を落とし、寝室に向かう。
松岡くんはわざわざ、ベッドを整えてくれていた。

「眠るまで傍にいるから」

私がパジャマに着替える間、松岡くんは部屋から出ていてくれた。
着替え終わったのを見計らって入ってきて、私にベッドへ入るように促す。

「セバスチャンもここにいるから安心していい」

部屋に入ってきたセバスチャンが、ずぼっと私の布団に潜っていく。
それだけで安心できた。

「松岡くんはどうするの……?」

「茶の間で寝る。
悪いけど勝手に、来客用の布団、出させてもらったから」

大きな手が、私のあたまを撫でる。

「一緒がいい……」

ひとりが、心細くてたまらない。
たとえ同じ家の中に、いるとしても。