「にゃっ!
にゃっ!」

「ほれほれ、セバスチャンは可愛いねー」

目一杯、明るい声を出して、さっき淋しいなんて思った自分を忘れる。

「ほらほら、頑張らないと捕まらないよー」

大好きなネズミのおもちゃを前に、捕まえようとセバスチャンは必死だ。
そんな光景を見ていると嫌がらせの手紙で荒んだ心が、和む。

「ほら、頑張って」

「にゃっ、にゃっ!!」

やっぱり猫は可愛い。
こんなに可愛い猫を虐待できるなんてどうかしている。

それに、猫の話をする立川さんは嬉しそうだったし、彼の携帯は可愛い猫の写真でいっぱいだった。
あんなに猫好きの彼が、猫を虐待しているなんて考えにくい。

いくら、松岡くんがああ言っても。

「やっぱり、人違いじゃないのかなー」