クリームとの相性も最高だけど、添えられているイチゴや、イチゴソースと合わせるとまたいい。
食べている私を松岡くんは、頬杖をついて見ていた。

「クリーム、ついてるぞ」

松岡くんの指が、私の口端を拭う。
そのまま彼は指についたクリームをぺろりと舐めた。

「……」

「ん?」

私が止まってしまい、彼が不思議そうに少しだけ首を傾ける。

「……なんでもない」

再び手を動かしてパンケーキをもそもそと食べる。
あんなことをするのは小説の中だけだと思っていた。
本当にされると、破壊力がすさまじすぎる。

「……ごちそう、さまでした……」

食べ終わる頃には私がクリームみたいに溶けていた。
それほどまでに美味しかったのだ。

「ん、満足したんだったらいい」