「不法侵入者防止。
あんなものが送られてきただろ?
次はセバスチャンかもしれないし、――紅夏かもしれないし」

松岡くんは部屋を移動して、すべての窓に警報器をつけた。

「俺が四六時中一緒にいて守ってやれればいいけど、そういうわけにはいかないからな。
だから」

「……ありが、と」

そんなに、心配してくれるなんて。
袖を引いたものの、嬉しすぎて顔を上げられない。

「紅夏のためだったら」

ちゅっ、松岡くんの唇が額に触れた。
そういうの、格好いいナイトに見えちゃうよ。

そのあと、警報器の使い方を教えてくれた。
窓を開けるときは自分でスイッチを切るんだって。
忘れないようにしないと。

今日は時間があるから特別なおやつを作ってやるって、松岡くんは台所へこもってしまった。
どうも大荷物だったのは警報器だけじゃなく、おやつの材料も買ってきたからみたいだ。