――アフタヌーンティの体裁で。

三段のケーキスタンドにティセット、ちゃんと下にはおしゃれなテーブルマットまで引いてあった。

「どうぞ」

松岡さんが紅茶を注いでくれる。

「……ありがとうございます」

カップに口をつけた途端、いい匂いがする。
紅茶はいまは買い置きしてくれているから自分でも淹れてみたものの、こんなに香り豊かにはならなかった。

紅茶を飲んでケーキスタンドの上の、胡瓜のサンドイッチをつまむ。
他にのっているのはスコーンと今日はオレンジのタルト。
スコーンには松岡さん曰くなんちゃってだけど、クロッテドクリームとイチゴジャムが添えてある。
これは、完璧なアフタヌーンティなのだ。

――ただし、和室でちゃぶ台、正座で給仕する執事もどき付きだけど。

「……むかつく」