「別に、いい。
俺は……いちファンとして、言っただけだから」

それでも。
失った自信は松岡くんのおかげで戻ってきたよ。
だから、きっとまだ、書ける。

「でもさ。
いまは本屋さんに行かなくてもnyamazonって便利なものがあるんだけど?」

「うっ」

「それに紙の本を買わなくても、電子書籍もあるし?」

「ううっ」

松岡くんは声を詰まらせているけど。
もしかして、うっかりさん?

「ほ、本屋で紅夏の本が並んでるの、見てみたかった、から。
あと書店で買った方が作家の応援になるとかちらっと読んだし……」

やめて!
目を伏せて視線をうろうろさせないで!
可愛すぎるから!