もしかしてサイボーグ?

なんて疑った私に罪はないはずだ。

「お茶の準備ができましたら、声をおかけいたします」

「……よろしくお願いします」

彼の仕事は三時からお願いしているので、お茶の準備からはじまる。

台所に松岡さんが消えていくのを確認しながら、私も仕事部屋のふすまを閉める。
仕事部屋の中は相変わらず足の踏み場もないほど散らかっていた。
彼にはここは、絶対立ち入り禁止だと言い渡してある。
女性にTLノベル作家だとバレるより、男性に知られる方が危険が大きすぎる。

「お茶の準備が整いました」

びくんと肩が跳ねる。
いつまでたっても声をかけられるたび、過剰に反応してしまう。

「は、はい。
いま行きます!」

慌てて行った茶の間には、お茶の準備が整えてある。