「紅夏、落ち着け!」

「だってあれ、セバスチャン……」

こたつの上に転がっているのは……黒猫の、前足。

「にゃー」

呼んだ? とばかりにセバスチャンが寝室から出てくる。
その姿を見て腰が抜けたかのようにその場に座り込んだ。

「セバスチャン……」

「にゃっ!?」

いきなり抱きしめられてセバスチャンはじたばた慌てているが、知ったこっちゃない。
無事ってだけで涙が出てくる。

「……落ち着いたか」

「……うん」

渡してくれたティッシュでちんと鼻をかむ。
セバスチャンは松岡くんからおやつをもらい、満足して毛繕いしていた。

「あれって、……作り物?」