家政夫執事と恋愛レッスン!?~初恋は脅迫状とともに~

そこ、に狙いを定めたものの、躊躇した。
だってそこへのキスは本当の彼になったとき、だから。

「今年はこれで我慢して」

ちゅっ、松岡くんの頬へ自分から口付けして、離れる。

「……上等」

いきなり松岡くんに抱きしめられ、はむって喰むみたいに鼻に口付けされた。

「今年はこれで我慢しとく」

さっきまでのふて腐れモードはどこへやら。
彼は満面の笑みだった。

「おやすみ、紅夏」

「おやすみ」

ピシャッと玄関が閉まり、しばらくして自転車の音が聞こえなくなる。

「……今年は」

なら、来年は?