家政夫執事と恋愛レッスン!?~初恋は脅迫状とともに~

「次回は金曜日にお伺いいたします」

「は、はい!
よろしくお願いします!」

松岡くんの顔が近付いてきて、ちゅっと頬に口付けする。

――けれど、離れ際。

「……ねえ。
バレンタインのチョコ、ないの?」

そろそろと眼鏡の向こうと目をあわせる。
視線のあった松岡くんは右の口端を少しだけ持ち上げて笑った。

準備できていないのがわかっているのに、こんなことをいうなんて意地悪すぎる。
しかも買いに出ようとした私を妨害したくせに!
だから、ドS松岡様なんだよー!

……などと心の中でいくら罵ったって、声には絶対に出せない。
だって出したらもっと意地悪されるもん。

「え、えーっと。
通販で頼んだんだけど、届かなくて。
ほら、最近、配送事故とかよくあるって聞くし?
それじゃないかなー?」