「お前も松岡くんの味方か?
そうなのか?」

「なぁー」

額をくっつけてぐりぐりした。
セバスチャンは迷惑そうだけど。

「……郵便が届いております」

「はいっ!?」

思わずセバスチャンが手から落ちる。
セバスチャンは危なげなくシュタッと床に着地して部屋を出て行った。

「えっと……」

こわごわ振り返ると松岡くんと眼鏡越しに目があった。
真顔で立っていた彼はそのまま私の傍まで来て机の上に郵便の束を置き、部屋を出て行く。

「……だから」

いままでだったらあんな光景を目にしたら、くすっとか莫迦にするように小さく笑ったりしていたのだ。
あれはあれで腹が立ったが、そんな反応すらないのは悲しくなってくる。