松岡くんはちらっとだけ私を見て作業を再開した。
はぁーっと重いため息をつき、とぼとぼと仕事部屋へ行く。

……まだ、怒ってるんだ。

なんだか少し、腹が立つ。
こっちだって立川さんなんてなんとも思っていないのだと説明したいのに、聞く耳持たないし。

そもそもあれだよ?
もう会うなとか、担当変えてもらえとか。
一方的に言ってきたのが悪いんじゃん。

椅子の上で膝を抱え、ぶーっと唇を尖らせた。

「にゃー」

私が起きたから遊んでもらえると思ったのか、セバスチャンが入ってくる。
捕まえて目線の高さまで持ち上げた。

「ねー、セバスチャンもそう思うよねー」

「なぁー」

セバスチャンの声は、低い。