「一時間も並んですか!?」

こともなげに立川さんは言っているが、さすがにそれには驚いた。

「はい、大藤先生のためだったら」

「……ありがとうございます」

ぱーっと立川さんの顔が輝き、眩しすぎる。
さすが王子様だとか思いつつ、理想の王子様を立川さんに重ねて見ているのがそもそもの間違いなのだといまさらになって気づいた。

「それで。
嫌がらせの方はその後、どうですか」

「それが……」

ダイニングテーブルの上に積みっぱなしになっている郵便物を持ってくる。

「こんな感じでまだ、届いています」

こたつの上に並べられたそれらに、立川さんは眉をひそめた。

「拝見しても?」