『冷蔵庫の中を見たら紅夏の食生活なんてすぐにわかる』

松岡くんはそう言っていた。
だからこんな生活をしていれば彼が心配してくれるんじゃないかという期待がなかったとはいえない。

そんな私をあざ笑うかのように、例の郵便は毎日届いた。
封も切らずにフリーザーパックに詰め、ダイニングテーブルの上に置いていく。
毎回、松岡くんが来たときに横井さんへ届けてくれていたが、月曜日の分はそのままある。

「ほんと、どうしたらいいんだろう……」

憂鬱な三日間で唯一、よかったことといえば。

『例のピュアホワイト。
書籍への誹謗中傷だと、社よりnyamazonへ情報開示要求を出しました。
他社も出すようですし、遠からずどこの誰特定されるはずです。
弊社としては彼女……彼かもしれませんが、訴える予定ですし、そのとき大藤先生もあわせて名誉毀損で訴えたらいいかと思います』

私へ報告する立川さんの声は少し、弾んでいた。

「そうですか……。
ありがとう、ございます」