「なんで?
理由を聞かせてもらわないと、わかんない」

じっと、少し高い位置にある松岡くんの目を見つめる。

「……俺のカン。
あと、セバスチャンもそう言ってる」

「にゃー」

同意するかのように、いつの間にか松岡くんの後ろに来ていたセバスチャンが鳴いた。
セバスチャンはまた立川さんを酷く警戒し、いる間は茶の間にすら入ってこなかった。

「そんな理由で担当変えてもらうなんてできないよ。
それとも……ヤキモチ?」

「……ヤキモチとかそんなもんまで考えられるようになったんだ?」

――ダン!

松岡くんの手が、私の顔のすぐ横の壁を叩く。

「俺があんな奴にヤキモチでも妬くとか思ってんの?」