私の全作品にレビューをつけているのだが、作品のことには一切触れていない。
代わりに書き込まれるのは――私がいかに、淫乱女かということ。

【大藤雨乃は誰にでも足を開く】

【肉便器に自ら成り下がり、喜んでいるような女】

【親友の男だろうと、男とみれば見境なく寝る】

ピュアホワイトを名乗るそいつは、匿名をいいことに言いたい放題。
nyamazonの運営には問題ありとして報告しているが、あまり効果はない。

「そんな人がいるんですか」

立川さんは自分の携帯を出し、nyamazonを確認している。

「酷いな、これ。
早く桃谷になり僕なり言ってくれればよかったのに」

「……すみません」

「いえ、大藤先生が悪いんじゃないので!」

私が詫びると、立川さんが大慌てでそれを止めた。