「恨んでいる人……」

私はやはり、恨まれるようなことをしているのだろうか。
一気に、自分の存在が悪のように感じてくる。

「ああ、すみません!
別に、大藤先生が悪いだなんて思ってないですよ!
ただ、最近は他人の幸せが妬ましいとかで、嫌がらせをする人間も多いですし。
ほら、この間の一力(いちりき)彩花《あやか》とか」

女優、一力彩花のニャンスタ炎上は記憶に新しい。
さりげなく、彼氏である社長とのデートで豪遊している写真を上げただけで、非難の嵐。
私はあまり一力彩花が好きではないが、それでもさすがに気の毒になったほどだ。

「……そうですね」

考えたくはないが、世の中にはそういう人間はいる。
それに私だってnyamazonのレビューへ、あきらかに読んでいないくせに酷いレビューをつけられたりするのだ。

「ないわけじゃないですが……」

ひとりだけ、いるのはいる。
その、nyamazonに酷いレビューをつける人。