「いまからこった料理はできないから、手早くできるものを作ってやる。
俺も腹減ったし」

「じゃ、じゃあ、早く帰ろう!
セバスチャンも待ってるし」

「そうだな」

足を速めて家へと急ぐ。
松岡くんはやっぱりくすくすと笑いながら、そんな私についてきた。



「よろしくお願いします、っと」

送信ボタンをクリックすると、はぁーっと一気に気が抜ける。
いいのか悪いのか、ここのところ例の郵便を忘れていたくてがんがん執筆していたら、驚くべきスピードで原稿はあがった。
私史上、最速だったといってもいい。

「これで急ぎの仕事はなくなったし、しばらくはあっちに取りかかれるかな……?」

原稿も送ったし、ほかの作品の締め切りはまだずっと先。
とりあえずは一段落といったところだ。