――ただし。

ずたぼろに傷つけられていたが。

「ひぃっ」

思わず手に取った本を落としてしまう。
松岡くんはそれを、無表情に拾った。

「……ひでーな」

「やだやだやだやだ……!」

自分の身体を引き裂かれたかのように、痛い。

「なんで!
どうして!
私がいったい、なにをしたの!?」

松岡くんにきても仕方ないことを聞いた。
それしか、できなかったから。

「ねえ、なんで!?」

「紅夏……」

ヒステリックに私が問い、彼はつらそうに顔を歪ませた。