「ねえ、見せてよ」

奪おうとするが、松岡くんは必死に死守している。
そこまでされるとさらに気になって、さらに必死に奪おうとした。

「あっ」

揉みあっているうちに彼の手からひらひらと紙が落ちていく。
表向きに床の上に落ちたそれには……私が、写っていた。

「……え?」

モノクロの写真自体は、シェイクスの記事をコピーしたものだと思う。
ただ、その写真でぎこちなく笑っている私の首には……真っ赤な線が一本、横切るように引いてあった。

「なに、これ……」

別になにかされたわけでもないのに、知らず知らず首に触れてしまう。

「だから、見ねー方がいいって」

はぁっ、短くため息をついてそれを拾った、松岡くんの手の中でぐしゃりと音がした。