大丈夫なのか気になって仕方ないが、聞くに聞けないし。

「お待たせしました。
遅くなりましたね、タクシー、呼びましょう」

「あ、いえ。
電車で……」

「心配なんですよ。
あんな嫌がらせも受けてますし」

「……はい」

心配そうに立川さんが眉を寄せ、ぽっと頬が温かくなる。
だって、王子様に心配されて嬉しくないなんてあるはずがない。

「じゃあ、気をつけて帰ってくださいね」

「はい。
ありがとうございました」

立川さんに見送られてタクシーは走り出す。
やっぱり彼は、理想の王子様だ。
きらきらしていて、気遣いも上手くて。
そうだ、今度書くTLノベルは、立川さんモデルの王子様にしよう――。