私が座り直して姿勢を正したからか、立川さんはなにかを感じ取ったようだった。

「その、見ていただきたいものがあって。
……これ、なんですけど」

持ってきた、例の手紙の入ったファイルを立川さんに渡す。

「これは……」

中身を確認した立川さんの眉間に皺が刻まれた。

「いつから?」

「新年一日からです。
毎日、途切れなく」

はぁーっと立川さんの口から落ちるため息は、深く重い。

「例の、人間でしょうね……」

「……やっぱり」

予想が的中してもこれほど嬉しくないものはない。

「文芸の作家の中にもひとり、被害に遭った方がいて。
それと手口が同じです」